氷の外科医
数分後、重い音を立ててERの搬入口が開く。
「傷病者搬入します!
雨の中、階段から落ちそうになった女児を庇って転落。
階段の角に胸部を強打し、右胸部痛と呼吸困難の訴えあり。
バイタル、血圧102の68、脈拍118回、SpO2はルームエアーで88%まで低下していたため、現在酸素マスク5Lで投与中です!」
救急隊員の声が響き、ストレッチャーが勢いよく滑り込んできた。
そこに横たわる患者は、痛みに耐えながら酸素マスク越しに浅く荒い息を吐き出している。
搬入されるストレッチャーに付いて歩きながら、裕人は苦しそうな患者の顔を横目でチラッと確認する。
「……は?」
あまりの衝撃に思わず素の声が口からこぼれ落ち、まるで誤作動でも起きたかのように、裕人の動きはそのままピタリと停止した。
雨に濡れた髪。
震える身体。
苦痛に歪む、見紛うはずもない愛おしい目元。
「……み、う……!?」
絶対的な威厳を誇る男の声が、いとも簡単に、一瞬で裏返った。
「傷病者搬入します!
雨の中、階段から落ちそうになった女児を庇って転落。
階段の角に胸部を強打し、右胸部痛と呼吸困難の訴えあり。
バイタル、血圧102の68、脈拍118回、SpO2はルームエアーで88%まで低下していたため、現在酸素マスク5Lで投与中です!」
救急隊員の声が響き、ストレッチャーが勢いよく滑り込んできた。
そこに横たわる患者は、痛みに耐えながら酸素マスク越しに浅く荒い息を吐き出している。
搬入されるストレッチャーに付いて歩きながら、裕人は苦しそうな患者の顔を横目でチラッと確認する。
「……は?」
あまりの衝撃に思わず素の声が口からこぼれ落ち、まるで誤作動でも起きたかのように、裕人の動きはそのままピタリと停止した。
雨に濡れた髪。
震える身体。
苦痛に歪む、見紛うはずもない愛おしい目元。
「……み、う……!?」
絶対的な威厳を誇る男の声が、いとも簡単に、一瞬で裏返った。