氷の外科医
これまで一度も目にしたことがない、冷静沈着な医師の固まる姿を目撃した佐藤が、目を丸くして思わず問いかける。
「……く、黒崎先生!? お知り合い……っていうか、もしかして、彼女さんですか……!?」
「っ……! 佐藤、バイタル再測定とモニタリング! 酸素そのまま継続だ!」
裕人は我に返ると、パニックになりかける感情を力ずくで押さえつけ、完璧な外科医の仮面をなんとか付け直す。
しかし、必死に隠そうとすればするほど上手くはいかず、周りが見てとれる程、裕人は動揺していた。
明らかに様子がおかしい鬼上司の姿に、いてもたってもいられなくなった佐藤が、意を決して言葉を発した。
「よしっ、じゃあここは僕が採血を——」
「触るな…っ!採血も処置も全部俺がやる。スピッツと針をこっちに渡せ」
「ひぃっ…は、はいっ、どうぞ!」
大切な彼女を他人に触らせたくないという感情が、静かに、だが強烈に湧き上がってくる。
意気込んでいた佐藤から鋭い眼光でスピッツを引ったくると、裕人は素早く美雨の隣へと移動した。
「……く、黒崎先生!? お知り合い……っていうか、もしかして、彼女さんですか……!?」
「っ……! 佐藤、バイタル再測定とモニタリング! 酸素そのまま継続だ!」
裕人は我に返ると、パニックになりかける感情を力ずくで押さえつけ、完璧な外科医の仮面をなんとか付け直す。
しかし、必死に隠そうとすればするほど上手くはいかず、周りが見てとれる程、裕人は動揺していた。
明らかに様子がおかしい鬼上司の姿に、いてもたってもいられなくなった佐藤が、意を決して言葉を発した。
「よしっ、じゃあここは僕が採血を——」
「触るな…っ!採血も処置も全部俺がやる。スピッツと針をこっちに渡せ」
「ひぃっ…は、はいっ、どうぞ!」
大切な彼女を他人に触らせたくないという感情が、静かに、だが強烈に湧き上がってくる。
意気込んでいた佐藤から鋭い眼光でスピッツを引ったくると、裕人は素早く美雨の隣へと移動した。