氷の外科医
その様子を見守っていた長谷川が、少し心配そうにこちらへと視線を送ってくる。
「長谷川さん、大丈夫です。僕が診ます」
自分にも、長谷川にも言い聞かせるように、けれどはっきりと言い切った。
「…了解。
頼んだわよ、黒崎先生」
黙って頷くと、深呼吸を挟み、優しく美雨に声をかけた。
「美雨、心配するな。すぐ楽になる」
「……うんっ」
相変わらず浅く、苦しそうな呼吸の間に短く返事をくれる姿に、少しだけ安堵を覚える。
「聴診するよ」
首にかかっていた聴診器を素早く耳に装着し、チェストピースを美雨の胸元へと優しく当てた。
右胸の呼吸音が著しく低下していることを確認した裕人は、すぐさま超音波プローブを手に取り、先端にゼリーを乗せる。
「打撲したところ触るからな。
……少し我慢してくれ」
そっと右胸の側面へプローブを滑らせた瞬間、美雨がびくっと体を強張らせて悲鳴を上げた。
「くっ…!
いたっ……ハァ……痛い……っ!」
「痛いな……。
すぐ終わる、極力痛くないようにするから、
……動かないでいてほしい」
裕人は胸を痛めながらも、手元をミリ単位でコントロールし、圧迫をかけないよう手早く超音波を走らせた。
隣からモニターを覗き込んでいた佐藤が目を見開く。
「右の胸腔線が消失してますね……
呼吸音低下と合わせて、外傷性気胸の疑いです!」
「……ああ、正解だ。レントゲン撮るぞ」
「長谷川さん、大丈夫です。僕が診ます」
自分にも、長谷川にも言い聞かせるように、けれどはっきりと言い切った。
「…了解。
頼んだわよ、黒崎先生」
黙って頷くと、深呼吸を挟み、優しく美雨に声をかけた。
「美雨、心配するな。すぐ楽になる」
「……うんっ」
相変わらず浅く、苦しそうな呼吸の間に短く返事をくれる姿に、少しだけ安堵を覚える。
「聴診するよ」
首にかかっていた聴診器を素早く耳に装着し、チェストピースを美雨の胸元へと優しく当てた。
右胸の呼吸音が著しく低下していることを確認した裕人は、すぐさま超音波プローブを手に取り、先端にゼリーを乗せる。
「打撲したところ触るからな。
……少し我慢してくれ」
そっと右胸の側面へプローブを滑らせた瞬間、美雨がびくっと体を強張らせて悲鳴を上げた。
「くっ…!
いたっ……ハァ……痛い……っ!」
「痛いな……。
すぐ終わる、極力痛くないようにするから、
……動かないでいてほしい」
裕人は胸を痛めながらも、手元をミリ単位でコントロールし、圧迫をかけないよう手早く超音波を走らせた。
隣からモニターを覗き込んでいた佐藤が目を見開く。
「右の胸腔線が消失してますね……
呼吸音低下と合わせて、外傷性気胸の疑いです!」
「……ああ、正解だ。レントゲン撮るぞ」