冷遇令嬢ですが、前世の知識と先見の力で運命の王第殿下と新しい国を作ります。

ジャスミン宝物展に行く

ジャスミンはどうして自分がマキシミリアンに誘われて宝物展に行く事になっているのかいまだに不明だ。

なぜかシシリーの食事会で皆に後押しされて頷いていたのだ。

でも宝物展は素晴らしかった。

ジャスミンはマキシミリアンの丁寧な解説付きで、宝物をゆっくり見る事ができた。

特に特別室の展示は一般ではなかなか入ることはできなくて特別の許可のある者しか入れない所だそうだ。

でも王第殿下と一緒なのでどこでも入ることが可能だった。

特別室に展示されていた傾国の美女と言われた五代前の王妃の素晴らしい衣装や宝飾の数々、そして実物大と言われる絵姿は美し過ぎて息も止まるほどだった。

それでも実物の王妃様はもっと輝いていたらしい。

外交手腕に秀でていて諸外国との取引の駆け引きも美しい笑顔一つでこちらの思うような条件でサインさせていたと言われている。

ただ美しいだけでなく豪快な女性でもあったのだという事だ。

彼女のお陰で隣国と結んだ通商条約は百年たった今でもホランデリア王国の重要な外交政策のかなめとなっているとマキシミリアンは言った。

もうすぐその条約は百年目を迎え見直しがされることになっている。

ホランデリア王国としては何とか同じ条件で再締結をしたいと外交関係者は皆が希望しているという事だ。

大体通商条約を百年単位で結ぶこと自体も今の時代にはありえない事なのだ。

条約の締結期間は長くて五年大体二~三年が通常の所だ。

プレオープンという事で宝物展は午前中の早い時間にセレモニーがあったらしく今はそのイベントも終わり見学の人はゆったりと見て回っている。

それでもさすがに王第殿下だ。皆が放って置いてはくれないようだ。

プレオープンに呼ばれるような高位貴族達やそのご令嬢が華やかな衣装でマキシミリアンに寄ってくる。

話しかけようとするご令嬢は護衛の騎士に阻止されている。

「今殿下はプライベートで、お忍びでいらっしゃっているのでご遠慮ください」

と騎士に言われれば

「じゃああの人は誰?平民みたいな服を着て殿下と楽しそうに話されているのはなぜ?納得がいきませんわ」

さすがご令嬢突っ込みがきつい。

騎士はたじたじだ。

ジャスミンはこそっと

「マキシム様いいのですか?護衛の方が困っていらっしゃいますよ。少し話していらしてください。私は一人で見ていますので…」

「だめだよ。僕が誘ったんだ。きちんとジャスミンをエスコートして説明しながら見て回るつもりなのだから、護衛の騎士はそれが仕事なんだから心配ないよ」

そう言うとジャスミンの腕を取り自分の腕に絡めて、今度は歴代の国王の肖像画を見ながら楽しい話を聞かせてくれる。
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