冷遇令嬢ですが、前世の知識と先見の力で運命の王第殿下と新しい国を作ります。
それぞれの国王の性格や武勇伝に信じられないドジな話にジャスミンは笑いをこらえるのが必死だった。

こんな所でげらげら声を上げて笑えない。

腹筋を試されている気分だ。

現代の国王様つまりマキシミリアンの兄となる人は厳格な印象を与えるがやはり美丈夫だ。

柔らかく中性的な美男子のマキシミリアンとは反対の印象で似ているのは目の青さとシルバーブロンドの美しい髪の色のみだ。

そんなことを思って国王の肖像画を眺めていると、

「実物と絵姿と見比べてみると言うのも今しかできないぞ。マキシミリアンがレデイを連れているなんて珍しい物を見させてもらった」

そう言ってジャスミンの右側に国王陛下がお立ちになった。

ジャスミンはびっくりしたが、ここで慌てて礼儀を亡くすような振る舞いをすればマキシミリアンに恥をかかせる。

ジャスミンは幼い頃より教えられ躾られたとおりの美しいカーテシーを堂々と披露した。

「これは国王陛下、見比べるなど滅相もございません。はじめてお目にかかります。ジャスミンと申します」

「ほお~、素晴らしいカーテシーだな。何処のご令嬢かな、マキシミリアン?」

「いえ、ジャスミンは王都で一番のカフェを経営するワーキングレデイですよ。パーテイもアテンドしてくれる才媛です」

「面をあげよ。ジャスミンとやら、宝物展を楽しんでくれ、マキシミリアン後で時間を作れ話がある」

「わかりました。この後ジャスミンと昼食に行くので帰りましたら連絡差し上げます」

「そうか、わかった」

そう言うと国王陛下は帰って行かれた。ほっとするジャスミン。

“チッ、あの狸め”早々に見つかってしまった。

まだジャスミンを墜としてもいないのに…

シリアスが今なら煩い貴族はいないと言っていたのにまさか国王がいるとは計算外だった。

「マキシム様いいのですか?陛下がお話があると仰っていましたのに、私はこれで失礼させていただきますから」

「だめだよ。もう少し見てから昼食に行くつもりなのだからレストランも予約してあるから…僕に一人寂しく食事をしろっていうつもり?」

「そんなつもりじゃあ…でも陛下が」

「いいんだよ。陛下の方が後から言ってきたのだから、夜でも構わないんだよ。だから気にしないで」

そして二人はその後王室御用達の素晴らしいレストランの個室でゆっくりと食事を楽しんだ。
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