冷遇令嬢ですが、前世の知識と先見の力で運命の王第殿下と新しい国を作ります。

ジャスミン歌劇を見る

マキシミリアンに家まで送ってもらい、今度は今はやりの歌劇を観に行く約束をしていた。

“なんで?”言葉にならず胸の内で呟いて、頭の中にひたすら?マークが飛び交う。

いつの間にかそう言う話になっているのだ。

ジャスミンは歌劇がそんなに好きなわけではない。

ただで観られるならラッキーと思う所だが、相手はマキシミリアン、王第殿下だ。

ラッキーと軽く考えていては痛い目を見る相手だ。

宝物展を見せてもらって感謝感激で、終わるはずの相手だったのに…

いつの間にか一カ月後のジャスミンの都合の良い日に決められていた。

「でもマキシム様はお忙しいでしょうから」とか

「私なんかより貴族のご令嬢をお誘いになった方が良いのでは?」とか

いろいろ言ってみたのだが、なんやかんやで行く事に同意させられてしまっていたのだ。腑に落ちない。

ジャスミンは商売や人を使う事には何も躊躇しないが、男の人とは付き合ったこともないし恋愛感情を抱いた事もない。

マキシミリアンを見るとどきどきしたり、エスコートされて手をそっと握られると胸がきゅんとする。

マキシミリアンの話を聞いていると、時間を忘れる。

話が巧みで飽きる事がないからだ。

ついつい自分も色んな話をしているのだ。

あっという間に時間が過ぎる。

退屈させないマキシミリアンの話術とその会話に混ぜ合わせるジャスミンに対しての好意を表す言葉が巧み過ぎるのだ。

“可愛い“だの“グリーンの瞳に吸い込まれそうだ“とか”今日の夜は嬉しくて眠れそうにない”とか、手の甲に口づけながら”好きでたまらない“とかも言っていたような?

どこまで本気にしていいものやらジャスミンにはわからない。

好きという気持ちさえわからないのだから初心ちゅうの初心で、恋愛初心者最前線なのだ。

勿論恋の駆け引きなんかよくわからない。

商売での駆け引きには負けるつもりはないのだが…

王第殿下との恋の駆け引きには勝てる気がしない。

“ジャスミン様を手玉に取るとは殿下は素晴らしい人ですね”とサラはニマニマしている。

リリーやデイジーにまで知られ、歌劇に行くならドレスを用意しなくてはと大騒ぎになってしまった。

王室専用のロイヤルボックスに案内されるはずだから、今日みたいにカジュアルな服装ではいくらお洒落だとしてもNGだ。

リリーは懇切丁寧に教えてくれる。
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