ソルが降る日
7 届かなかった言葉
ソルは、すでにいなかった。現場は動きを取り戻し、照明機材は替えられている。事故の安全確認も終わり、スタッフの声はいつもの勢いになる。ミリは音声ログのシートを見直しながらも何度か顔を上げ、さきほどソルが消えた方向を見た。けれど、そこには人の流れがあるばかりで、本人の姿はなかった。
「もう戻らないみたいだよ。衣装の替えもないし、今日はあがりだって」
近くの制作スタッフが何気ない調子で言うと、ミリは「あ、はい」と頷く。でも、ペン先が止まったまま。
「怪我はなかったみたいだし、心配いらないよ」
付け足すように聞こえた言葉に、ミリはもう一度頷いた。
お礼を言いそびれた。やっぱり、心配……。そして、もう一つ、聞けなかったこと。
「もう戻らないみたいだよ。衣装の替えもないし、今日はあがりだって」
近くの制作スタッフが何気ない調子で言うと、ミリは「あ、はい」と頷く。でも、ペン先が止まったまま。
「怪我はなかったみたいだし、心配いらないよ」
付け足すように聞こえた言葉に、ミリはもう一度頷いた。
お礼を言いそびれた。やっぱり、心配……。そして、もう一つ、聞けなかったこと。