ソルが降る日
 ジフンが少し離れたところで、ミリを見ていた。けれど、ミリの視線の先にあるものがわかり、代わりに軽く手を上げて再開の合図を出した。

 ミリは深く息を吸い、ヘッドセットを掛け直す。

「……マイク、入ります。チェックワンツー」

 声はいつも通りの速さと高さを保ち、視線で事故後のセットと俳優たちの動線を確認する。けれど、フェーダーを上げる指先が一度だけ迷う。

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