嘘つきシンデレラ〜地味男を選んだら、俺様御曹司に溺愛されました〜
男は星南をじっと見た。分厚い眼鏡越しでも、視線だけは妙に鋭く感じる。
彼はそのまま無言だったが、星南はめげずに問いかけた。
「パーティー、楽しくないですか?」
笑顔で尋ねたものの、答えは分かり切っていたので返事を待たずに続ける。
「わかります。私も愛想笑いに疲れて、逃げてきたところなんです」
「……逃げてきた?」
「はい。私、主催者と友達で、その縁があって参加したんですけど、やっぱり馴染めなくて」
「友達?あの女と?」
男からの思いがけない言葉に、星南はぱちりと瞬きをする。
「ご存知なんですか?あり紗のこと」
「大学の後輩だ」
「じゃあ……もしかして、あなたも無理やり?」
「ああ。あまりにやかましいから、一回きりの条件付きで」
(まさかの同族だった……)
ということは、この人も自分と同じで、婚活するつもりなんてないのだろう。
(というかあり紗ってば……男性側は問題ないみたいな言い方してたのに)
どうやら、しれっと自分と同じような人間を捕まえてきたらしい。彼女のバイタリティーには、もはや脱帽しかない。
だが、そういうことなら、尚更都合がいい。