嘘つきシンデレラ〜地味男を選んだら、俺様御曹司に溺愛されました〜
「え……えええ!?うそ!?」
我を忘れて声を張り上げてしまい、すぐに慌てて口元を押さえた。周囲の厳しい視線にぺこぺこと頭を下げると、朔夜は口元を緩めながらそれを楽しそうに眺める。
その顔のあまりの整い具合にまた言葉を失いかけるも、なんとか気を取り直してもう一度座り、声を落として問いかけた。
「な、なんでわざわざ顔を隠してたんですか…っ」
これだけの顔を持ちながら、わざわざ手間をかけて冴えない格好をする意味が分からない。
しかし、朔夜は自分の顔を指差しながら平然と言い放った。
「あ?んなもん、コレにつられて寄ってくる有象無象が鬱陶しいからに決まってんだろ」
「……」
(うわ、口悪……)
およそこの綺麗な顔から出てくるとは思えない言葉遣いに、星南は返す言葉を失う。
けれど、仕方なく参加したと言っていたし、本人の意思などお構いなしに女性が集まってくるのなら、それはそれで大変なのだろう。
「じゃあ……私が話しかけたのも迷惑だったんじゃ……」
「最初はな。けど、この俺を利用しようってのが透けて見えてて、逆に悪くねえと思った。あと、普通に話も合うしな」
「……」
「こうやって地顔を晒しても態度変えねえし。なんならここに戻って最初に座ったとき、俺を追い返そうとしてただろ。そういうとこが気に入った」
「……」
(だめだ。顔が良すぎて、何も頭に入ってこない……)