嘘つきシンデレラ〜地味男を選んだら、俺様御曹司に溺愛されました〜
元カレも俳優を目指していただけあって顔は整っていた。だから、美形にはそれなりに免疫があると思っていた。
けれど、この男はその比ではない。顔立ちの美しさも、色気も、圧倒的な存在感も、何もかもが別格。
あふれるカリスマ性──とでもいうのか。こんな美形がこの世に存在していたのかと、未だに信じられない。
「そういうわけで、改めて自己紹介」
どうやら、星南が呆然としている間にも話は進んでいたらしい。
朔夜はそう切り出すと、懐から名刺を取り出し、星南の目の前へ差し出した。
社会人の悲しい性なのか、こんな状況でも「頂戴します」と言いながら受け取ってしまう。半ば反射的に受け取った星南だが、そこに書かれた文字を見てさらに言葉を失った。
「ぎっ…gallery!?あの巨大ECサイト運営の!?」
しかも、会社名の下に記された肩書には、堂々と『専務』の文字がある。
「ま、待って。一宮ってまさか……社長の……」
「そ。その社長の息子が俺。いわゆる御曹司ってやつな」
「……!」
星南は絶句し、はくはくと声にならない息を吐くしかなかった。
(待って。何もかもが追い付かないんだけど……)
冴えない眼鏡がまさかの美形で、大企業の御曹司。疑問が次から次へと浮かんでは、処理する前に新しい情報で上書きされていく。
もはや、何から聞けばいいのかすら分からない。