嘘つきシンデレラ〜地味男を選んだら、俺様御曹司に溺愛されました〜
そんなことを考えながらスマートフォンを眺めていると、新たなメッセージが届いた。
送り主は、あり紗だった。
《お疲れ~!この前はありがとね!お礼の店、ここでいいかな?》
続けて、店の位置情報が送られてくる。
検索してみるもそこは公式のホームページすらなく、紹介がなければ入ることもできない、星南が要求したとおりの店だった。
それを見てどんな服を着て行こうかと浮足立つ反面、あり紗の名前を見て、あることを思い出す。
(そういえば、あり紗は一宮さんと知り合いなんだっけ)
彼はあり紗を、大学時代の後輩だと言っていた。
そのあり紗に一宮のことを話すか、正直迷った。けれどあまりに色々ありすぎて、メッセージだけで説明するのは難しい。
何より、星南自身がどうしたいかを決められていないことを、言葉にすることができなかった。
朔夜のことは、気になっている。話して楽しいと思ったし、誘われることも、本音を言えば嬉しい。
──けれど、恋愛をするとなると、どうしても過去の傷がまだ痛みを伴って蘇ってしまうのだ。
「……」
そこまで考えて、星南はゆっくりと首を振る。
(……やっぱり、会って話そう)
文字であれこれ考えるより、直接会って相談したほうが早い。
明るくさっぱりしたあり紗なら、うじうじと悩んでいる自分に活を入れてくれるだろう。
そう思い直して、星南はあり紗への返信を打ち込んだ。