嘘つきシンデレラ〜地味男を選んだら、俺様御曹司に溺愛されました〜

 朔夜はまるで気にした様子がなく、むしろこの状況そのものを楽しんでいるようにすら見える。

 そんな彼を見ているうちに、星南はずっと聞きたかったことを口にした。

「どうして……そこまで私を?」

 食前酒を喉へ流し込んでいた朔夜が、グラスを置く。そして今日も今日とて美しい顔に微笑みを添えて、さらりと答えた。

「いい女だから」

「え……」

「顔も好みだし、あのパーティーにいたってことは仕事も実力あんだろ。あと、今みたいに物怖じせず聞いてくるところもいい」

 そう言い切ると、朔夜は背もたれに身体を預け、ゆったりと腕を組んだ。

「俺、パートナーとは対等でいたいんだよ。だから媚びうる女は論外。俺は、俺がいいなと思った女としか付き合いたくねえ」

 そう言った朔夜の言葉が、妙に引っかかった。

(対等……)

 自分と元カレは、果たして対等だっただろうか。

 思い返せば、いつも自分ばかりが尽くして、自分ばかりが与えていたような気がする。

 彼の夢を叶えるために、自分の時間もお金も使って、彼のことしか見えていなかった。

 好きだったから、そうしたかった。

 だけど、自分のことより彼を優先していたあの頃は──朔夜の言う「対等」とは、あまりにかけ離れていたのかもしれない。

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