嘘つきシンデレラ〜地味男を選んだら、俺様御曹司に溺愛されました〜
その後も当たり障りのない会話を交わしながら、車は道のりを進んでいく。
そしてたどり着いたのは、通りから少し奥まった場所にある鉄板焼きの店だった。
朔夜に続いて店内へ入ると笑顔の店員に出迎えられ、二人用の半個室へと案内された。
目の前には細部まで磨き上げられた鉄板があり、その端にはこれから調理されるらしい高級食材が並んでいる。
席に着いて間もなく、胸元に「店長」と書かれたプレートをつけた男性が姿を見せた。
「一宮様、お久しぶりでございます。ご両親はお元気でいらっしゃいますか?」
「久しぶり。親父達は相変わらずだよ」
どうやら朔夜とは顔なじみらしく、店長は笑みを浮かべたまま星南へと視線を移した。
「それにしても、今日はずいぶんとお綺麗な方をお連れですね」
「……!」
思いがけず話を振られ、星南は思わず背筋を伸ばす。
「ああ。でも絶賛口説き落とし中だから、うちの親にはまだ何も言うなよ」
「承知しました」
店長は慣れた様子でメニューを手渡すと、「本日もごゆっくりお過ごしください」と告げて奥へと下がっていった。