嘘つきシンデレラ〜地味男を選んだら、俺様御曹司に溺愛されました〜
源は肩をすくめると、眼鏡を外して胸ポケットへしまった。
「まあいいや。星南さ、いい加減に現実見たほうがいいよ」
「……それ、どういう意味?」
「そのまんまだよ。俺たちはもう住む世界が違うってこと」
源は優越感を隠そうともせず、歪に口元を歪めた。
「今の俺は仕事も順調だし、付き合う相手だって好きに選べる。なのに、いつまでも昔の恋人面されても困るんだよ」
「っ、誰がそんなこと……!」
「それにさあ」
わざとらしく声を被せ、源は星南の服装を上から下まで眺める。
「前よりマシにはなったけど、無理してる感じがすごいよな。分相応に、その辺の適当な相手と落ち着いとけって」
「……っ」
──ここまで言われなければならないほど、自分が何をしたと言うのだろう。
あんな裏切り方をされても、別れてからこの一年、一度だって連絡をしたことはなかった。
今日だって、偶然この店で居合わせただけなのに、まるで自分がいつまでも源に縋りついているかのように決めつけられる。
(なによ……なんなのよ……!)
源の見下すような声を聞くたび、ふつふつと怒りが湧き上がっていく。
そして、ついに星南の中で何かが切れた。
「……そっちこそ、その醜悪な性格が世間にばれないといいわね」
低く声を落としてそう言った途端、源の表情が固まった。