嘘つきシンデレラ〜地味男を選んだら、俺様御曹司に溺愛されました〜
「どういう意味だよ」
「どうもこうも、芸能人って世間のイメージが大事じゃない。今注目のイケメン俳優が、売れた途端に下積みからずっと支えてきた彼女を捨てたなんて知られたら……どういう反応になるかしらね」
「なっ……」
源の顔から、みるみる血の気が引いていく。
「お前、まさか……!」
「バラすなんてしないわよ。そんなことするほど、もうあんたに興味なんてないんだから」
冷たく吐き捨て、話は終わりだとばかりに源から視線を外す。
「だからそっちも私に構わないで。今、大事な人を待ってるの」
これ以上、こんな男と無駄な会話をしたくなかった。過去に自分を傷つけた男の顔を見ても、不思議なほど何の感情も湧かない。
だったらもう、過去のことに囚われる必要なんてない。
こうして言いたかったことを全部言えて、ようやく、そう思うことができた。
「……ふざけんなよ」
けれど、そこで終わりには出来なかった。
怒りを押し殺したような声が響き、その直後、源に腕を掴まれ乱暴に引き寄せられる。
「ちょっ……離してよ!」
「星南、お前調子に乗るのもいい加減にしろよ!」
怒りに満ちた視線に、咄嗟に恐怖が走る。思いのほか強い力に足がすくみ、思うように体が動かない。
「お前ごときが口答えしてんじゃ──」
しかし、その言葉を遮るように横から腕が伸びてきた。
そのまま星南を掴んでいた源の手を、力任せに引き剥がす。
その先では戻ってきた朔夜が、怒りを露わにして源を睨んでいた。