嘘つきシンデレラ〜地味男を選んだら、俺様御曹司に溺愛されました〜
Epi.6
互いの視線がぶつかり合い、一触即発の緊張が走る。
源は突然現れた朔夜に敵意を剥き出しにしていたが、朔夜から放たれる威圧感に圧されているのか、それ以上踏み込もうとはしない。
星南が内心でハラハラしていると、張り詰めた空気を割るように、女の声が飛び込んできた。
「……一宮専務?」
その声に、朔夜が一瞬だけ源から視線を外し、女のほうへ顔を向ける。
すると彼女はぱあっと表情を輝かせ、源を押しのけるように前へ身を乗り出した。
「やっぱりそうだ!お久しぶりです!私、以前ドラマの制作発表会で専務とお会いしたことがあるんですが、覚えていらっしゃいますか?」
彼女は甘ったるい猫なで声で朔夜に語りかけ、うっとりとその顔を見上げる。
しかし朔夜はそれを一瞥しただけで、露骨に迷惑そうに顔を歪めた。
「覚えてないな」
「えっ……」
あまりにもあっさりと切り捨てられ、女の笑顔が引きつる。
「うちがどんだけ広告出してると思ってんだ。その中で一回会った程度の相手を、いちいち覚えてるわけねえだろ」
「そんな……」
冷たく吐き捨てる朔夜に、女は言葉を失う。
それでも、その視線だけは朔夜の顔から離れない。むしろ冷たい眼差しを向けられてなお頬を赤らめ、ますますその美貌に心を奪われているようだった。