嘘つきシンデレラ〜地味男を選んだら、俺様御曹司に溺愛されました〜

 言い訳を並べる源の言葉を無視し、朔夜はスーツの内側からスマートフォンを取り出した。画面を軽く操作すると、そのまま耳に当てる。

「俺だ。週明けに新CMの件で話がある。関係者全員のスケジュールを確保しておいてくれ」

 そうして電話の向こうの相手に淡々と指示を飛ばし、最後に「急で悪いな。頼む」とだけ告げて電話を切った。

「……さて。お前の起用については社内で再検討するとして……」

 そう言って、星南の腰に回していた腕をゆっくりと解く。

 そのまま一歩、源へ近づいた。

「こっからは、プライベートの話だ」

 朔夜は源の胸ぐらをぐっと掴むと、地を這うような低い声を放つ。

「さっきの星南の話で、お前がクソだってことはよく分かった。まあ、それはいい。星南は、俺が幸せにすりゃいいだけの話だ」

 そこで一度言葉を切り、「だが」と前置きして、掴んだ胸ぐらをぐっと捻り上げる。

「こいつに手ェ上げようとしたことは見過ごせねえ。そもそも、どの面下げて俺の女に気安く話しかけてんだ?なあ?」

「ぐっ……」

「さっ、朔夜!」

 さすがに見かねて、星南は慌てて朔夜の腕に手をかけた。

 目の前では、朔夜が底冷えするような怒気を放っている。

 ここまで怒りを露わにするとはさすがに予想外で、どうすればこの場を収められるのか分からない。

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