嘘つきシンデレラ〜地味男を選んだら、俺様御曹司に溺愛されました〜
そのまま車の中へと連れられ、星南が助手席に座ると、朔夜も運転席へと乗り込んだ。
その間、朔夜は特に何かを言うでもなく、行き先も告げられぬままエンジンがかかる。それに戸惑いながらも、星南は隣に座る朔夜の横顔へ声をかけた。
「ねえ、朔夜。どこに行くの?」
「俺の家」
「……え?」
間髪入れずに返され、星南は思わず固まった。朔夜はそんな星南に視線を向けながら、言葉を続ける。
「言質は取ったからな」
「言質……?」
「さっき言っただろ。俺と結婚するって」
「!」
(確かに、言ったけど……っ)
あのときは、ただ源を黙らせたくて、咄嗟に出た言葉だった。
源に腕を掴まれたあの瞬間、どうしようもなく腹が立っていたはずなのに、その力がひどく怖く感じた。だからこそ、朔夜が助けてくれたことが嬉しかった。
だけど……そんな勢いで口にした言葉を、本気にされるなんて思ってもいなかった。
今はもう、自分でもはっきりとわかるほど朔夜に惹かれている。
だから、この気持ちを否定だけはしたくない。とはいえ、まだきちんと想いを伝え合ってすらいないのに、こんな流されるような形で進んでしまっていいのだろうか。