嘘つきシンデレラ〜地味男を選んだら、俺様御曹司に溺愛されました〜
「私じゃなくても、朔夜なら他に選び放題なんだよ。それなのに結婚なんてしたら、私に縛られることになる。……分かってる?」
朔夜がどう答えるのか、少しだけ不安だった。
これは、自分の弱さだ。朔夜に求められたいと願いながらも、どうしてもその先が不安で予防線を張ってしまう。
彼のことが好きだからこそ、どうしようもなかった。
けれど朔夜は、そんな星南の一世一代ともいえる問いかけを、鼻で軽く笑っただけだった。
「縛る?なにを生温いことを」
「え?」
星南が目を瞬かせると、腕を押さえていた朔夜の手がゆっくりと離れていく。その手は肌を伝うように星南の首元へと移り、柔らかな触れ方で喉を覆う。
「……生憎だが、俺はお前を縛り付けて、雁字搦めにする気満々なんだよ」
その声は愉しげでありながらも、強い独占欲が滲んでいた。
「今夜ここでお前を抱く。そっからはすぐにここに住まわせて、親にも会わせる。ガッツリ周り固めて籍入れて、お前の時間も人生も、全部俺がもらう。……そのうえで、ぜってえ逃がさねえ」
隠しきれない執着が満ちた言葉に、心臓が暴れだす。
朔夜は言葉を失う星南をまっすぐに見つめたまま、掴んでいた手首を引き寄せた。
伸ばされた腕に、朔夜の唇が触れる。
その場所は、先ほど源に強く掴まれた場所だった。
「あいつに触られてるのを見た時、頭がおかしくなりそうだった。お前に触れた腕ごと、本気で切り落としてやりたかった」
その言葉に、冗談や勢いとは思えないものを感じた。
もしあの場で止めなければ本当に実行していたのではないか──そう思わせるほどの凄みがある。
「……星南。お前がここまで俺を狂わせたんだ」
そう告げて、朔夜の顔がゆっくりと近づいてくる。
「だから、俺を受け入れろ。そうすれば、骨の髄まで愛してやる」