嘘つきシンデレラ〜地味男を選んだら、俺様御曹司に溺愛されました〜
それぞれが思い思いに動き出し、星南の元にも数人の男性が話しかけてきた。
「こんばんは。よかったら少しお話しませんか?」
「お仕事は何をされてるんですか?」
「休日はどのように過ごされてますか?」
最初のうちは、星南も笑顔を絶やさずに応じていた。けれど一時間も経ってくると、そろそろ被っていた猫が逃げ出しそうになっていた。
「すみません、お手洗いに……」
適当な理由をつけてその場を離れ、星南は会場の隅へと逃げ込んだ。
(愛想笑いって、こんなに疲れるものだっけ……)
壁に肩を預け、シャンパンを一口煽る。
グラス越しに会場を眺めていると、ふと、さっきから何度も声をかけてくる男性と目が合った。
こちらに気づいたらしく、男性がにこりと笑う。
(ま、まずい。誰かと適当に話さないと……!)
こんな場所に来ておいて、相当失礼なことをしている自覚はある。とはいえ、余計な期待を持たせてしまうようなことだけは避けたかった。
なにより……
(あの人、勢いすごくてちょっと怖いんだよね……)
さりげなさを装ってなんとか別の話し相手を探そうと周囲を見渡していると、ふと、一人の男性に目が留まった。