今だけの婚約者~身代わりのはずが、冷たい旦那様にお腹の子どもごと愛されていました~
 両親や舞との、幼少期から続く関係を思い起こす。

 一応、私も家族として扱われてはいたけれど、彼らとの間には常に溝があった。

 私の言い分を信じてくれない両親に、理不尽に責める舞。耐えるばかりの日々に、私は彼らに期待することも、わかってもらおうと努力することもやめてしまった。

 これまでは被害は私だけで済んでいたが、今後も付き合いが続けば、高宮家にも迷惑をかけるだろう。
 お腹の子にだって、悪影響が出るかもしれない。

 もし舞も結婚して出産したら、彼らは孫についても私たちにしたように扱いに差をつけかねない。
 そんなこと、絶対にさせてはいけない。

「私も、舞や両親とはもう関わりたくないです。高宮家に迷惑をかけたくないのもありますが、なによりお腹の子にまで同じ思いをさせるわけにはいきません」

 いつか舞が結婚して子どもができたとき、両親は孫に対する態度も変わるかもしれない。子どもにまで、私のような悲しい思いをさせたくない。

「同感だ」

「両親とは、きちんと話がしたいです」

「俺も同席するから」

 連さんが一緒にいてくれるのなら心強い。

「よろしくお願いします」

 蓮さんはそれからすぐに、両親と話をする機会を設けてくれた。




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