今だけの婚約者~身代わりのはずが、冷たい旦那様にお腹の子どもごと愛されていました~
「できた!」
今夜のメインはから揚げだ。味はしっかりと沁み込んでいるし、カラッとしてなかなか美味しくできたと思う。
蓮さんの夕食を用意するようになって一カ月ほどが経つ。
かなり忙しくしていた彼だが、関わっていた案件が一段落つき、後は部下に任せられるようになったという。そのため、自宅で食事をする日が増えている。
じめじめとした梅雨の時期は、苦手なはずだった。祖母の亡くなった月でもあり、天候につられて気分が沈みがちになるからだ。
でも、今年はずっと浮かれている。その理由が、蓮さんのために夕食を作ることが楽しいからだと自覚はある。
近況報告を要求してきた舞には、受けているレッスンの内容や料理をしていることを伝えておいた。
【なにやってんのよ! 余計なことをしないで】
返答は彼女らしい身勝手なもので、蓮さんの多忙さを知る私としては怒りを覚える。
でも、結婚をするのはその舞。
私が蓮さんのためにできることといえば、時期が来るまでに舞もいろいろと身につけておくようにお願いするくらい。
舞はきっと、なにもしないだろう。あの子は面倒事をとことん避けて、努力を嫌う。そういう姿を、いつも目の当たりにしてきた。
お願いだから、舞には蓮さんや藤沢屋の社員のことを考えて行動してほしい。そう強く望むが、舞には届かないだろう。
先のことは考えたくない。頭を振りながら、時計をチラッと見た。
もうすぐ二十時になるところだ。予定では、そろそろ蓮さんが帰ってくるはず……と思っていたところで、玄関から開錠の音が聞こえてくる。
途端に気分は上昇し、急いで玄関に向かった。
今夜のメインはから揚げだ。味はしっかりと沁み込んでいるし、カラッとしてなかなか美味しくできたと思う。
蓮さんの夕食を用意するようになって一カ月ほどが経つ。
かなり忙しくしていた彼だが、関わっていた案件が一段落つき、後は部下に任せられるようになったという。そのため、自宅で食事をする日が増えている。
じめじめとした梅雨の時期は、苦手なはずだった。祖母の亡くなった月でもあり、天候につられて気分が沈みがちになるからだ。
でも、今年はずっと浮かれている。その理由が、蓮さんのために夕食を作ることが楽しいからだと自覚はある。
近況報告を要求してきた舞には、受けているレッスンの内容や料理をしていることを伝えておいた。
【なにやってんのよ! 余計なことをしないで】
返答は彼女らしい身勝手なもので、蓮さんの多忙さを知る私としては怒りを覚える。
でも、結婚をするのはその舞。
私が蓮さんのためにできることといえば、時期が来るまでに舞もいろいろと身につけておくようにお願いするくらい。
舞はきっと、なにもしないだろう。あの子は面倒事をとことん避けて、努力を嫌う。そういう姿を、いつも目の当たりにしてきた。
お願いだから、舞には蓮さんや藤沢屋の社員のことを考えて行動してほしい。そう強く望むが、舞には届かないだろう。
先のことは考えたくない。頭を振りながら、時計をチラッと見た。
もうすぐ二十時になるところだ。予定では、そろそろ蓮さんが帰ってくるはず……と思っていたところで、玄関から開錠の音が聞こえてくる。
途端に気分は上昇し、急いで玄関に向かった。