今だけの婚約者~身代わりのはずが、冷たい旦那様にお腹の子どもごと愛されていました~
「俺の方から作るようにお願いしておいてなんだが、無理はしないように」

「はい。心配してくれて、ありがとうございます」

「用意できない日は、そう言ってくれ。たまにはふたりで外食をしてもいいな」

 話すようになったとはいえ、蓮さんとふたりだけで出かける機会は一度もなかった。


「違うな。君が大変なときだけでなく、たまにはふたりで出かけるのもいいだろう。婚約者として」

 ドキッと鼓動が跳ねる。

 誘ってもらえたことが、うれしくてたまらない。

 でも、本当に応じていいの?
 蓮さんに近づくほど、きっと想いが大きくなってしまう。

「え、ええ。楽しみにしていますね」

 迷いから曖昧な笑みを返す私に、蓮さんはどう思っただろうか。
 怖くて、彼の反応を見られなかった。






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