今だけの婚約者~身代わりのはずが、冷たい旦那様にお腹の子どもごと愛されていました~
 唇を奪われ、隙間から彼の熱い舌が口内に侵入してくる。
 口の中を余さず暴かれている間、ひたすら瞼をきつく閉じていた。

 くすりと笑った蓮さんは、それからワンピースに手をかける。
 至る所に口づけられながら、服を脱がされていく。下着姿にされてとっさに胸もとに巻き付けた腕は、彼に優しくどけられてしまった。

 鼻に頬に、次々と口づけが降ってくる。
 首筋を辿った彼の唇は、肌をはみながら胸もとに近づいていく。肌をくすぐる彼の吐息に体は震え、否応なしに興奮を煽られていった。

 下着の中に手を差し込まれて、ビクッと体が跳ねる。

「あっ」

 彼の指が胸の先端を掠めるたびに、甘い痺れが体中を駆け抜ける。勝手に漏れ出る声は、自分の意志では止められそうにない。
 気づけば下着もすべて外され、生まれたままの姿を晒していた。

「恥ずかしい……」

 必死に身をよじるも、覆いかぶさる蓮さんに阻まれて隠しようがない。

「すごく綺麗だ」

 再び腕を体に巻きつけた私を、蓮さんは眩しそうに見つめる。

「そ、そんなに見ないでください」

「無理だな。愛しているから、どんな君もこの目に焼き付けておきたい」

「愛して、いる?」

「そうだ。俺は、君のすべてを愛してる」

 まるで私にそう教え込むように、蓮さんが『愛してる』と繰り返す。

 そんな気持ちを誰かから向けられるのは、いつぶりだろうか。両親にさえ、愛情を向けられた覚えはない。

「君が理解するまで、何度でも言うよ」

「何度、でも?」

「ああ。俺がどれほど君を想っているか。今夜、体にしっかり刻み込んでやる」

 とんでもないことを言われた気がするが、深く考える余裕はない。彼が触れるたびに、愛をささやくたびに、体が熱くなっていった。

 彼のもとを離れることに、私は耐えられるだろうか。
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