バツイチ×未経験の私は、初恋の豪腕弁護士から極甘に溺愛される
「ちょ……やめてよ、まだお付き合いが始まったばかりなんだから!」
詩織は途端に顔を真っ赤にし、両手で頬を覆った。
恋人になったとはいえ、鷹木は現在、詩織の弁護士として、また他の仕事の都合もあり連日忙しく飛び回っている。
家で顔を合わせる時間が非常に少ない。詩織自身、まだ恋人ができたという実感がそれほど湧いていないのが本音だった。
「またまたぁ。こーんな凄いマンションに一緒に住んでるんだから、何もないわけないでしょ。付き合いたてだなんて、夜と言わず朝と言わず、さぞ甘ぁい時間をお過ごしなんでしょうね」
有希は楽しそうにトーンを弾ませて詩織を揶揄う。
「そ、まだ、そんなんじゃ……」
詩織が視線を泳がせながら呟くと、有希は何かにピンときたような顔をして、ぽんと手を叩いた。
「あ、そっか。まだ怪我が治ってないもんね。じゃあこの膝のガーゼが取れてからかしら?」
詩織はハッとして動きを止めた。
そうなのだろうか。
あの夜、静かな病室で、互いの存在を確かめ合うようなキスを交わして以来、家の中でそれ以上の雰囲気になることは一度もない。
交際はゆっくり進むのだと思い込んでいたが、もしも鷹木が、詩織の傷を気遣って触れずにいてくれているのだとしたら……。
「いつ取れるの?」
「あ、来週くらい……かな」
「じゃあ、いよいよね! ちょうど良かった。はいコレ。もう一個お見舞い」
有希はにこりと満面の笑みを浮かべ、紙袋を手渡してきた。
「え、ありがとう?」
さきほど有希がお見舞いにと差し入れてくれたケーキは、今まさに二人で美味しく食べている最中だ。
二個目?
疑問に思いながらも袋を受け取り、中の薄紙を開いてみる。
「きゃあ!」
詩織は思わず短い悲鳴を上げて、中身を袋の中へと押し戻した。
隙間から覗いたのは、繊細なレースで編まれたひどく刺激的なデザインの下着だ。向こう側が完全に透けて見える。
「詩織って可愛い系のデザインばっかりだからさ。たまにはこういう大人っぽいのも良いんじゃないかと思って」
「あ……う……」
「二人で楽しんでね!」
「……あ、りがとう」
顔から火が出るほど恥ずかしい。
詩織は蚊の鳴くような小さな声で返事をするのが精一杯だった。
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