末っ子王女はあこがれの(元)魔術師団長に欲情してほしい
 エルベルトは眉間にしわを深く刻む。
「そして、アマリアの淑女教育をそなたの母、エレナ殿に頼みたい」
 さらに眉間のしわは深くなる。
「王城(こちら)のほうがいい教師が揃っているのではありませんか?」
「だから言っているだろう? アマリアは魔力が強すぎる。だから誰も娘には近づけない。そういえば、同じようなことが昔にもあったなぁ……」
 国王はわざとらしくどこか遠い目になりながらも、横目でチラチラとエルベルトに視線を送ってくる。
「ややこしくなるので、昔の話は置いておきましょう。では、アマリア王女はいつもお一人で……?」
「いや、私が側にいれば問題ない。だから、私がいるときは他の者とも一緒にいることができる」
 それは国王がこの国一の魔術師だからだ。王位を継いだときに魔術師団を辞めたが、それ以前は国王が団長を務めていた。
「私としては、かわいいアマリアのためにいつでも一緒にいたいのだが、頭の固い大臣たちが、『それでは政務が滞る』と言っていてな。今も泣く泣く、アマリアと離れているわけだ。そうなると、誰もアマリアには近づけない。だからいつも部屋に閉じこもって本を読んでいるしかない」
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