末っ子王女はあこがれの(元)魔術師団長に欲情してほしい
2.
アマリアは壁のように立つ男を、爪先から頭のてっぺんまでまじまじと見つめた。彼は父王よりも背が高い。
闇を思わせる真っ黒い髪は背中まで届き、夏の訪れを告げるような緑色の目が真っすぐにアマリアを見下ろしている。アマリアもつい、吸い込まれるように彼の目を見つめてしまう。
「アマリア。彼が魔術師のエルベルトだ。挨拶、できるかな?」
父王のやわらかな声ではっとしたアマリアは、スカートを持ち上げて腰を折る。
「お初にお目にかかります。アマリアです」
応接室に来る前、母親が教えてくれた挨拶だ。いつもは一緒にいられないが、父が近くにいれば母もアマリアの側に来て、会話が可能となる。
ほんの短い時間ではあったけれど、母はアマリアの挨拶を見て「上手だわ」と褒め、頬をやさしくなでてくれた。久しぶりに触れた母の手はやわらかくてあたたかかったが、肝心の母は目に涙をため、その涙があふれないようにと我慢していたようにも見えた。
「おい、エルベルト」
国王の声に身体をびくっと震わせた彼がアマリアの前で跪き、目線を合わせてくれた。
「はじめまして、アマリア王女。私が王国魔術師のエルベルト・イームズです。お手に触れても?」
「は、はい」
闇を思わせる真っ黒い髪は背中まで届き、夏の訪れを告げるような緑色の目が真っすぐにアマリアを見下ろしている。アマリアもつい、吸い込まれるように彼の目を見つめてしまう。
「アマリア。彼が魔術師のエルベルトだ。挨拶、できるかな?」
父王のやわらかな声ではっとしたアマリアは、スカートを持ち上げて腰を折る。
「お初にお目にかかります。アマリアです」
応接室に来る前、母親が教えてくれた挨拶だ。いつもは一緒にいられないが、父が近くにいれば母もアマリアの側に来て、会話が可能となる。
ほんの短い時間ではあったけれど、母はアマリアの挨拶を見て「上手だわ」と褒め、頬をやさしくなでてくれた。久しぶりに触れた母の手はやわらかくてあたたかかったが、肝心の母は目に涙をため、その涙があふれないようにと我慢していたようにも見えた。
「おい、エルベルト」
国王の声に身体をびくっと震わせた彼がアマリアの前で跪き、目線を合わせてくれた。
「はじめまして、アマリア王女。私が王国魔術師のエルベルト・イームズです。お手に触れても?」
「は、はい」