末っ子王女はあこがれの(元)魔術師団長に欲情してほしい
 どちらかと言えば、アマリアは母親似だ。茶色っぽい髪は父に似ているかもしれないが、それでもまったく同じ色ではない。アマリアのほうが父よりも赤っぽい髪をしていた。
 だから、エルベルトがなぜ父王と似ていると言ったのかわからなかった。軽く首を傾げると、彼はふっと口元をゆるめる。
「アマリア王女殿下の魔力は、陛下とよく似ていますよ。お顔ではありません」
「おいおい、エルベルト。それでは私とアマリアの顔は似ていないと言っているようなものではないか」
「似ていないでしょう?」
「いやいやいや、こんなにそっくりではないか。この愛らしい鼻にかわいらしい唇。私にそっくりだろ?」
 国王の問いかけにエルベルトは表情を変えず、アマリアの手をそっと握りしめる。
「どうやら、アマリア王女殿下の魔力は、陛下と違って素直なようですね」
「さっきは私に似ていると言ったじゃないか」
「魔力の属性は似ています。だけど、質が違う。素直だから訓練次第ではすぐに制御の仕方を身につけられるでしょう」
「せいぎょ……?」
 エルベルトの言葉を真似してアマリアが尋ねると、彼は木漏れ日のような眼差しを向ける。
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