末っ子王女はあこがれの(元)魔術師団長に欲情してほしい
「お呼びでしょうか、陛下」
 国王の執務室にノックをして入ると「おいおい、露骨に嫌な顔をするなよ」と、エルベルトの顔を見たとたん、国王のぼやきが飛んできた。
「私も素直な人間ですから」
 だからここに来たくないという気持ちが顔に出たのだと、エルベルトはそう伝えたつもりである。
「どの口が言う」
 軽口を叩き、威厳など微塵も感じられないような国王だが、それはエルベルトが相手だからだろう。
「エルベルト……あぁ、カウノも一緒か」
「俺は付き添いですので、気にしないでください」
「おまえたち、そこに座りなさい」
 カウノの「気にしないでください」という言葉は、なんの効力もなかったらしい。
 ソファに座るように促されたエルベルトは「失礼します」と形だけは取り繕いつつも、その声には隠しようのない不機嫌がまとわりつく。
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