天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
「……千晶さん、ほとんど日本にいないじゃん」

「次はカンボジアに行くって言ってたよね」



冷ややかな二人の声。



「千晶さんって、海外でお仕事してるんですか?」

「ううん、完全なる旅行。日本に帰ってきてお金貯めたら、海外に行くっていうのを繰り返してる」



かっこいいし、楽しそう。憧れるな。



「お仕事は大丈夫なんですか?」

「薬剤師で資格職だからね。辞めても、また次が見つかるし」

「すごいお仕事ですね。薬剤師、かっこいいな」



将来のことなんて考えたことがなかった。

資格がある仕事って、そういうこともできるんだ。



「千晶ちゃんは特殊だから、薬剤師がみんなそうだとは思っちゃだめだからね」

「千晶さんは、変わってるし。野良薬剤師」



甥っ子たちは、厳しいな。



「あんたたち、千晶さまが素晴らしき華麗なパスをしてあげているというのに、この恩知らずめ!」
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