天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
「華麗なパスってどういうこと?」

「千晶さんに恩を売られても」

「あなたたちの第一志望の公立大学医学部。キャンパスは薬学部と同じです」



春くんって、行きたい学校まで決まってるんだ。

律くんも、前は「別に」って言ってたのに。

二人がすごすぎる。



「一緒に登下校したり、学食で食べたり。最高じゃない?」



目の前の勉強でひーひー言っている身には、なんと遠い話。

それなのに、春くんと律くんが、がばりとこっちを向いた。



「杏、公立大の薬学部行こう!」

「俺、勉強教えるよ」



勝手に将来を決めないで欲しい。

私の成績では公立大なんて恐れ多いし、そもそも薬学部は難関すぎる。



「……無理」



忘れかけていた期末テストのことが、ふと頭によみがえった……。
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