天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない

03「杏がしんどいのは、俺が嫌」

7月に入り、春くんの部活が地区大会に向けて忙しくなった。

今日は律くんと二人でマリー開店の準備をしている。

春くんは三人でしたがっていたけど。

本番の試作はもう大丈夫。

フライパンを渡すタイミングを何度も練習した。

律くんの盛り付けは、どんどん進化しておしゃれになり、このあいだ春くんがSNSにあげたら「いいね」がたくさん付いてた。



「お米をどうしようかな」



マリーに元からある炊飯器は5合炊き。

オムライスに使うのは1食0.5合。



「うちの炊飯器持ってくる。千晶さんの家のも」

「千晶さんって、一人暮らしだよね。3合炊きとかじゃない? それならうちから持ってくるよ」

「あの人、5合炊き使ってる。気が向いたときに、一気に冷凍ストック作ってるから」



千晶さんらしい。



「よく知ってるね」

「前に、買いに行くのをつき合わされたから。荷物持ちで」



なんやかんや言いつつ、いい関係だな。

うらやましい。



「私も、千晶さんみたいな親戚のお姉さんが欲しかったな」



明るくて楽しくてパワフルで素敵な人。

「千晶さんと親戚になりたいなら、俺とけ……」
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