天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
今年は、梅雨も短かったのに、気温がなかなか上がらない。

学校は半袖にはなったものの、みんなカーディガンを着ているくらいだ。

でも、マリー復活日は8月1日。

さすがに暑いよねって思って、心配になってきた。



「このエアコン、使えるのかな」



2年も使っていなかったから、動くのか不安だ。

当日、汗だくで作業するのも嫌だし、来てくれたお客さんにも申し訳ない。

確認も兼ねて、リモコンの電源ボタンを押してみた。



「あっ、ちゃんと動くね……っ」



自分の位置が悪かったのか、エアコンの風が顔に直撃した。

……埃というか、カビくさい。

しまった。

あんなに掃除しないといけない店内だったじゃない。

律くんが慌てて電源を消す。



「杏、大丈夫?」
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