天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
なんとも言えない匂いに顔をしかめたものだから、律くんが心配そうに聞いてきてくれた。



「大丈夫、大丈夫」



全然大丈夫じゃない。

鼻と喉が気持ち悪い。

水筒のお茶を飲んで洗い流した。

もう遅い気がするけど。



「さっ、次は器具の配置とか考えようか」



考えるとかゆくなる!

だから、当日の段取りに集中しようとした。

でも、だんだん目がかゆくなってきた。

鼻もむずむずするし、喉までいがらっぽい。

口の周りもちょっとかゆい。



「荷物持って」

「どうして?」

「病院行こう」

「大丈夫だって。家に帰って寝たら治るよ」

「だめ」



律くんは、私の荷物をバッグの中に詰め始めた。そして、腕をつかむ。
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