天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
苦手というか、解く気力すらわかなかった証明問題は、どうにかなりそう……ではある。

でも、心配だ。

だって、赤点を取ったら、マリーは禁止ってお父さんとお母さんに言われてるから。



「もう大丈夫だと思うけど。……あっ、これ貸すよ」



春くんが、自分の筆箱から紺色のシャーペンを取り出して渡してくれた。



「落ち着いて解くお守り」



借りたい!

でも……。



「春くん、困らない?」

「じゃあ、杏ちゃんのシャーペンを貸して」

「いいけど、春くんが、赤点にならない?」



それこそ、赤点のお守りだ。



「俺の勉強のモチベーションが上がるから、大丈夫」



いかにも女子な水色のシャーペンだったのに、春くんは笑顔で交換してくれた。

期末テスト、がんばれますように!
< 122 / 141 >

この作品をシェア

pagetop