天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
「う、うん。……律くんに教えられないように、がんばる」



1学年下なのに、勉強を教わることになるのは、さすがの私でも年上としてのプライドが許さない。



「杏には、俺が教える」

「それは、いや」

「教えるって」

「私、一応年上!」



ぎゃんぎゃんと言い合っていると、急に律くんが我に返った。



「違う、そうじゃない。言いたいことがあったから来た」



この学年1位を見せに来ただけじゃなく?

でも、それもどうしてわざわざ来てくれたんだろう。

謎だ。



「ご褒美に映画のチケットを2枚買ってって、親にお願いした。……だから、一緒に行って欲しい」

「律くんのご褒美に、私が乗っかるのは」



申し訳ないから、私の分は自分で払うけどな。



「杏は俺にご褒美くれないの?」



真剣に見つめてきた目に、心臓がバクバクと鳴った。

なにこれ。

告白されてるみたい。

ただ、遊びに誘われているだけなのに。
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