天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
「じゃあ、今度、卵のサンドイッチ作るね。マヨネーズの」

「それも欲しいけど、映画も一緒に行って」

「う、うん」



顔がものすごく熱くなる。

手のひらでぱたぱたとあおいだ。



「じゃあ、また日を決めよう。8月1日以降で」

「わかった」



男の子と二人で出かけるなんて、初めてだからどうしたらいいんだろう。



「これ、見せてくれてありがとう」



緊張しつつも、私の手にあったスマホを律くんに返す。

あれ……。



「また背が伸びた? まさかね」



病院に連れて行ってもらってから、2週間も経っていない。

律くんは、誇らしげに笑う。



「言っただろ。兄ちゃんより大きくなるって」



4月に出会って、たった3カ月しか経っていないのに、弟みたいな子からすっかり男の子になってる。

律くんの背を見送りながら、自分の中のどきどきの意味を考えた。
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