天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
第6章 塩素の香りと、左の肩

01いつもと違う春くん

夏休みに入り、春くんの水泳大会当日。

会場までの行き方が不安だったので、律くんと待ち合わせ……というか、家まで迎えに来てくれた。

会場へ向かう電車の中、無言ですごす。

このあいだ、テストの結果を見せてもらってから、どう接したらいいのかわからなくなっている。

どうしよう。何も話さないのも変だよね。

一人であわあわしていると。



「この前、家でオムライス作った。写真、見る?」

「見たいっ」



律くんは少し笑った後、スマホの画像を見せてくれた。



「うまくない?」

「うまい!」



律くんは、めきめきと盛り付けの腕を上げてきてて、マリーのSNSを見たお母さんが「抜かれた」って言っていた。



「ここ、卵破けてるのを隠してる」

「えっ、そうなの?」
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