天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
ハーフスパッツ型の水着を着て、帽子をかぶった姿は、いつもの春くんとは違っていて、律くんに言われるまでわからなかった。

こんなに男の人の体型だったんだ。

会場が静まり返った後、レースが始まった。

周りが声を出しているので、私も負けじと応援した。



「よしっ! いける!」



春くんがゴールした後、律くんは小さくガッツポーズをする。



「いくってどこに?」



「決勝。予選タイムの上位8名が決勝戦に進出できる。兄ちゃんのさっきの50メートルのタイムだと、多分いける」



興奮気味に教えてくれた。

いいなあ、この兄弟仲。



「それに、決勝で3位以内に入ったら、ブロック大会に進める。そこで標準タイムを超えたら、全国大会」

「すごいっ」



しばらく時間をおいて始まった100メートル自由形の予選も、二人でたくさん応援した。

真剣に泳ぐ春くんが、ものすごくかっこいい。
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