天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
第7章 一日だけの、喫茶マリー

01いよいよ、明日!

緑色のエプロンを着た千晶さんが、小躍りしている。



「かわいいー! 律、似合うでしょ? 似合うって言いなさい」

「……」



マリー復活の前日。

最終準備のために、お店に四人で集まった。

そして、おばあちゃんが作って送ってくれたエプロンの試着をしている。



「刺繍まで入れてもらって、ありがたいな」



春くんが胸元を見ながら、ぽそりとつぶやく。

Maryの文字とマリーゴールドの刺繍。

うちのおばあちゃんは、器用なのだ。



「マリーがなくなっても、これは残るんだなって思うとうれしい」

「春斗ー!」



半泣きの千晶さんに抱きつかれて、春くんが心底面倒くさそうな顔をする。

いつも笑顔の印象があったけど、最近はよく感情を見せてくれるようになったかもしれない。
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