天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない

04二人の大切な場所

昨日と同じハンバーガー屋さんで、律くんと二人、久保田先輩が来るのを待つ。



「……」



無言に耐えられず、もくもくとポテトを食べる。

年上なんだから、話題を振るべきなのかもしれない。

でも、なにを話したらいいのかわからない。



「待たせてごめんね」



気まずいと思ってると、スポーツバッグを肩から下げた久保田先輩が来た。

それだけで、空気が柔らかくなったのがすごい。



「兄ちゃん、髪濡れてる」

「お待たせしたら悪いと思って、ドライヤーで乾かさずに来たの」



そう言って、バッグの中からタオルを取り出して栗色の髪をわしゃわしゃと拭いた。

少女漫画のワンシーンみたいだな。

主人公がきゅんするやつ。

別に私はきゅんしないけど。



「……何部なんですか?」

「水泳部だよ」

「えっ? 修明にはプールがあるんですか?」



うちの学校にはプールがないから、私立中学にはプールはないものだと思っていた。



「ないよ」

「へ?」



プールがないのに、水泳部とは?
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