天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない

06私の答え

翌日の土曜日の朝。

お父さんには、友達と出かけると言って、一人で喫茶マリーに来てみた。

学校が休みだから、いつもと違って、電車は空いていた。

曇ったガラス窓の中をのぞき込むと、四人テーブルが3つ、二人テーブルが2つ、カウンター席が4つ見えた。

お店の中も「昔ながら」という言葉がよく似合う。

私にできるのかな?

料理は好きだ。

家族が、喜んで食べてくれるのを見るのはうれしい。

一日だけのお店屋さんも楽しそう。

それになにより、昨日のあの話を聞いてしまうと、ちょっとひとごとではいられない。



「えっ……」



どうしようって考えていたら、聞き覚えのある声がした。

その方向を見ると、律くん。

手には水の入った大きなペットボトル。

気まずくて逃げようとしたら、腕をつかまれた。
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