天才料理少女は、恋のレシピを知らない
02呼び止められた理由
そして、翌日。
また改札前にあの二人がいる。
怖い、怖い、怖い!
青葉駅には、改札は1つしかない。
私は意を決して定期を右手に持ち、通学バッグを胸の前に抱えた。
そして、一目散に改札を駆け抜ける。
「あっ」
黒い髪の子が声をあげた。でも、わき目も振らず走った。
この生活、一体いつまで続くの?
────────────────
────────
「杏、何してるの?」
廊下に貼り出されている学校周辺の地図を物差しで測っていると、莉子ちゃんが、あきれた声で聞いてきた。
「1駅先まで、歩いて帰れないかなって」
「無理でしょ。山登りしながら帰るつもり?」
「だね……」
地図上の距離を測り終え、大きなため息をついた。
他に路線はない。
私は、今日も改札を走り抜けないといけないのか。
3日もこの生活が続いていて、病みそうになっている。
「なにかあったの?」
「莉子ちゃぁぁん」
1年生から仲良しの友達に泣きついた。
そしたら、彼女の部活が終わるまで待って、一緒に帰ってもらえることになった。
二人でスクールバスに乗り、青葉駅に向かう。
そして……今日もいる。
「おっ、あれは修明の久保田王子じゃないですか」
「なにそれ?」
「さすが杏。やっぱり知らないかあ」
褒められているのか、けなされているのかわからない。
「よその学校の子のことを、知ってる方がおかしいと思う」
「あれだけイケメンだったら、知らない方がおかしいって」
「へー」
「出たよ、この恋愛オンチ。まあ、杏の場合は、恋の前に無頓着を直そうか」
莉子ちゃんが、肩下まである私の髪を指先でつまむ。
「せめて、髪はちゃんと毎朝、といてこようね」
「ぼさぼさじゃないから、よくない?」
「よくないです」
二人で言い合いながら歩いていると、目の端で例の子たちがこっちに向かってきたのが見えた。
思わず、莉子ちゃんの背に隠れる。
「どーも。この子の友人です。立ち話もなんですし、ちょっと場所移動しません?」
「えっ、莉子ちゃんどうして?」
がつんと言ってくれるんじゃなかったの?
「まあまあ。私は、灰色の女子校生活を送る気はないから、この機会を逃さないわよ」
「そんなぁ」
また改札前にあの二人がいる。
怖い、怖い、怖い!
青葉駅には、改札は1つしかない。
私は意を決して定期を右手に持ち、通学バッグを胸の前に抱えた。
そして、一目散に改札を駆け抜ける。
「あっ」
黒い髪の子が声をあげた。でも、わき目も振らず走った。
この生活、一体いつまで続くの?
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「杏、何してるの?」
廊下に貼り出されている学校周辺の地図を物差しで測っていると、莉子ちゃんが、あきれた声で聞いてきた。
「1駅先まで、歩いて帰れないかなって」
「無理でしょ。山登りしながら帰るつもり?」
「だね……」
地図上の距離を測り終え、大きなため息をついた。
他に路線はない。
私は、今日も改札を走り抜けないといけないのか。
3日もこの生活が続いていて、病みそうになっている。
「なにかあったの?」
「莉子ちゃぁぁん」
1年生から仲良しの友達に泣きついた。
そしたら、彼女の部活が終わるまで待って、一緒に帰ってもらえることになった。
二人でスクールバスに乗り、青葉駅に向かう。
そして……今日もいる。
「おっ、あれは修明の久保田王子じゃないですか」
「なにそれ?」
「さすが杏。やっぱり知らないかあ」
褒められているのか、けなされているのかわからない。
「よその学校の子のことを、知ってる方がおかしいと思う」
「あれだけイケメンだったら、知らない方がおかしいって」
「へー」
「出たよ、この恋愛オンチ。まあ、杏の場合は、恋の前に無頓着を直そうか」
莉子ちゃんが、肩下まである私の髪を指先でつまむ。
「せめて、髪はちゃんと毎朝、といてこようね」
「ぼさぼさじゃないから、よくない?」
「よくないです」
二人で言い合いながら歩いていると、目の端で例の子たちがこっちに向かってきたのが見えた。
思わず、莉子ちゃんの背に隠れる。
「どーも。この子の友人です。立ち話もなんですし、ちょっと場所移動しません?」
「えっ、莉子ちゃんどうして?」
がつんと言ってくれるんじゃなかったの?
「まあまあ。私は、灰色の女子校生活を送る気はないから、この機会を逃さないわよ」
「そんなぁ」