天才料理少女は、恋のレシピを知らない
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「どーもどーも、清和女子学院中学2年生の藤井(ふじい)莉子と申します。あっ、制服着てるから、学校名まで名乗らなくてもよかったか」

電車で3駅先の中央公園前駅まで移動して、北口改札を出てすぐのハンバーガー屋さんで、彼らと向かい合って座っている。

「清和の制服って、かわいいよね。そのジャンパースカートが上品だな」
「よく言われます。……って、そこの二人、興味なさそうな顔をしない」

莉子ちゃんにつっこまれて、正面に座っている黒い髪の男の子が、私と同じようにびくっとした。

「俺は」
「あっ、よく存じておりますよ。修明中学3年生の久保田 春斗(はると)先輩と、1年生の久保田 律(りつ)くんですよね」

莉子ちゃんってば、さっきは栗色の髪の男の子のことしか言ってなかったけど、黒い髪の子のことも知ってたんだ。
情報網(もう)がすごいな。

半分尊敬・半分あきれながら、私はバニラシェイクを吸い込んだ。

「へえ、そんなに俺たちって、清和で知られてるんだ」
「そりゃあ、久保田王子ですからね」

「ぷっ、王子」
律くんが、莉子ちゃんの言葉に反応して、吹き出し笑いをした。

「律くんも、未来の王子様って言われてるよ」
「よかったな、律」
「げっ、最悪」

三人のやり取りを、ポテトを頬ばりながら聞く。

「あっ、こっちは森川(もりかわ)杏ね」
勝手に自己紹介をされたので、眉間にしわを寄せて、莉子ちゃんを見た。

こんな怖い人たちに、個人情報を明かさないで欲しい。
文句を言いたいけど、口の中はポテトでいっぱいだ。

「莉子ちゃんと、杏ちゃんだね。よろしく」
「どうぞ末永くよろしくお願いします。で、うちの杏に何のご用でしょう?」
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