天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
第2章 料理より先に、掃除です!

01嵐のような叔母さん

すぐに大掃除が始まった。

掃除道具を買ってきたものの、肝心の電気も水道も止まっている。

仕方がないので、久保田兄弟が自分の家から、ペットボトルで水を何度も運んだ。

埃まみれになりながら、店内を掃除していると、ビニール袋を下げた一人の女性が入ってきた。

高い位置でまとめた大きなお団子が印象的な人。



「若者たち、がんばってるねー」



お母さん世代というより、もっと若い感じ。

笑った雰囲気が、どことなく久保田先輩に似てる。



「春斗から話は聞いてる。杏ちゃん、引き受けてくれて、ありがとう!」



埃で黒ずんでいる私の手を、そのお姉さんは、なんの迷いもなく握りしめてきた。

この人、誰?

久保田先輩に目で聞く。



「俺たちの叔母さんの千晶(ちあき)ちゃん」

「どうも、喫茶マリーの元看板娘の藤田(ふじた)千晶ですっ。姉さん……この子らの母親に頼まれて、責任者になりました」



テンションが高くて、パワーに圧倒されそうになる。



「千晶さんが責任者って、不安しかないんだけど」
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