天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
律くんが冷たい声を発した瞬間、千晶さんは彼を、はがいじめにする。



「『千晶ちゃんと結婚する』とか言ってたくせに、なんてかわいくないっ」

「昔のことだろっ」



結構な大人だと思うのに、中学1年生と同じレベルで話している姿は、かわいい。

うちは、お父さんもお母さんも一人っ子だから、叔母さんや叔父さんがいたら、こんな感じなのかな。



「杏ちゃん、手を洗って先にお昼を食べとこう。千晶ちゃんに買ってきてもらったから」



久保田先輩に言われて、言い合っている千晶さんと律くんを置いて、流しで手を洗う。

ハンドソープの白い泡がみるみる真っ黒になった。



「想像力が足りてなくて、本当にごめん。掃除してから頼めよって話だよね」

「大丈夫です」



落ち込んでいる久保田先輩が、かわいい。

二人で、ペットボトルの水を流し合いっこしながら、手をすっきりさせた。
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