天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
律と二人、顔を見合わせる。

そして、ちょうど日本に帰ってきていた千晶ちゃんにすぐ連絡を取った。



「へー、商店街の最後のイベントか。いいじゃない。この千晶さまが手伝ってあげるわよ」

「ありがとう」



南米の謎のお土産を前に、ぶっ飛んだ叔母は二つ返事でオッケーしてくれた。



「お母さんがマリーを始めたのは私と姉さんが巣立った後だけど、あの商店街には思い出も多いしね」



きっとこのイベントを考えた人も、俺たちと同じように、気持ちに区切りをつけたかったんだろうな。



「で、喫茶マリーの一日復活。どうするよ? 飲み物を出す……うーん、寂しいな」

「オムライスを出したい」

「それは……いい思い出なのか?」



即答した弟に、つっこんでしまった。

律があまりにも例の料理動画を見ているから、ばあちゃんがオムライスを作ってくれたものの……。
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