天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない

02律、ごめん

俺たちの救世主(救世主)の森川杏ちゃんは、目がくりっとしてかわいくて、話してて楽しい。

それに何より、自分には一切関係のないマリーのために、一生懸命がんばってくれる。

ものすごくいい子。

だんだん、会える日が楽しみになっていく。



『帰りに、スーパーで牛乳と卵、買ってきて』



中央公園前駅の改札を出たタイミングで、母さんから家族グループにメッセージが入る。

律は部活。

了解のスタンプを押した後、画面を待ち受けに戻して、杏ちゃんを見てから駅前のスーパーに向かう。

今日も会いたかったな。

三人がそろわなかったから、本日は喫茶マリーの準備はなし。

寂しく思いながら、卵の棚に向かうと……。



「杏ちゃん!?」


幻でも見てるのかと思った。

だって、杏ちゃんの家は、ここから何駅も先。

彼女のくりっとした目が、俺を見つけた驚きで、さらに大きくなる。



「びっくりした。まさか、春くんに会うとは」

「なにしてるの?」



手にはメモ帳とペン。



「値段調べてるの。どこのお店だったら、卵が安いのかなとか。それと、品物のよさも」

「なんで……」
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