天才料理少女は、イケメン兄弟の恋心に気づかない
そう思っていたときに見つけた商店街の最後のイベント。



「サンドイッチとか、もっと簡単なやつで考えようか」



嫌だ。

ばあちゃんとの思い出のオムライスがいい。

久しぶりにあの動画を見た。

更新はずっと止まったまま。

でも、削除されていなくてほっとする。

何度も手順や動きを確認して、自分で作ってみる。

でも、全然うまくいかない。

8月までに、どうにかなるか?

無理じゃない?

そう思っていたときだった、青葉駅の改札で定期を拾ったのは。



「あの、落としまたよ」

「あっ、すみません。ありがとうございます」



目が釘付(くぎづ)けになった。黒子と痣。間違いない。
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